解析的な方法

最後に, 解析的な方法でやってみます (他の方の力を借りました) .

まず, 変数変換をします . xをSin[θ] で置き換えてみます . θの範囲は -π/2≤θ≤π/2ですが, この範囲ではCos[θ] は正の値です . これを考慮して変形をすると下記の積分になります .

∫_ -π/2^π/2Sin[θ] + y + (1 - y^2)/(y - Sin[θ]) d θ

最初の積分がπyになるためには, 下記の式が成立すると良いようです .

∫_ -π/2^π/21/(y - Sin[θ]) d θ = 0

こんな対称的でない式がゼロになるとは想像がつかないのですが, ためしに数値的に計算してみます .

Remove["Global`@*"] ;

Needs["NumericalMath`CauchyPrincipalValue`"]

y = 0.1 ;

CauchyPrincipalValue[1/(y - Sin[θ]), {θ, -Pi/2, {ArcSin[y]}, Pi/2}]

Null

3.3501*10^-14

ほぼ, ゼロとなる値が得られます .

さて, 変数変換ですが, Tan[θ/2] = tと置き換えます . このときSin[θ] は

Sin[θ] = (2 t)/(1 + t^2)

また,

dθ = 2/(1 + t^2) dt

これらを用いて変数を置き換えると, 積分は下記のようになります .

∫_ -π/2^π/21/(y - Sin[θ]) d θ = 2/y∫_ (-1)^11/(t^2 - 2/y t + 1) d t

t^2 - 2/y t + 1 = 0 の解をα, β とおきます ( α ≤ β ) . また判別式Dは

D = 4 ( 1/y^2 - 1)

よって, 常に実解となります . ここでz (t) = t^2 - 2/y t + 1 という2次式の頂点の座標を考えてみます .

z (t) = t^2 - 2/y t + 1

     = (t - 1/y)^2 - 1/y^2 + 1

頂点の座標は (1/y, -1/y^2 + 1) となりますが, これは放物線 z (t) = -t^2 + 1 上にあります . ただし, t の範囲は t≤ -1, 1≤t です . z (t) = t^2 - 2/y t + 1 のy軸の切片が1であることを

考えるとt^2 - 2/y t + 1 = 0 の解α, β は下記の何れかの大小関係を満たします .

{{{α ≤ -1 ≤ β ≤ 0}, {0 ≤ α ≤ 1 ≤ β}}

ここでは α ≤ -1 ≤ β ≤ 0 の場合を考えます (もう一つの場合も上手くいきます) . 積分を続けてみると,

S = ∫_ (-1)^11/(t^2 - 2/y t + 1) d t = ∫_ (-1)^11/((t - α) (t - β)) d t

∫_ (-1)^11/(t - β) d t は積分範囲に無限大となる所が含まれているので, コ - シ - の主値を, 計算します .

∫_ (-1)^11/(t - β) d t = ∫_ (-1)^(2β + 1) 1/(t - β) d t + ∫_ (2β + 1)^11/(t - β) d t

             =   [Log | t - α |] _ (2β + 1)^1

よって, 結局積分は,

S = ∫_ (-1)^11/(t^2 - 2/y t + 1) d t = 1/(α - β) { Log | 1 - α | /| 1 + α |  - Log | 1 - β | /| 1 + β | }

ここで, α · β = 1 という関係を用いると S = 0 となります .

一応これでもとの積分,

この式を証明したことになります (終わり) .


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