感光基盤の作り方
今回の実験で使用するホール素子が幾つか手に入ったので、そのホール素子を配置する土台兼、配線を手作業でも可能にするため感光基盤を製作した。
@ 用意するもの
ポジ感光基盤(カメレオンレジスト)
ジェットプリンター用OHPシート
A パターン製作
今回製作した基盤のパターンは、2.5cm四方に22本の配線という非常に細かい作業であったので研究室にあったインクジェットプリンター(エプソンMJ-900)を使用することにした。
まず、パソコン用CADソフト(AUTCAD LT)を使いパターンを製作する。そしてインクジェットプリンターでこのパターンをOHPシートに印刷する。このとき注意しなければならないのは、印刷方法を白黒印刷にして、スーパーファイン用紙を選択することである。これは、選択用紙をOHPシートにしてしまうと、OHPシート用のインクの出方になり、インクが薄く、インクの吹き付けられないラインが出てしまい感光基盤用のマスクとしては精度の悪いものになってしまった。そこで、スーパーファインで印刷することでインクの量を多めに出させることでこの問題を解決した。もう一点注意すべきことで、OHPシートにスーパーファインで印刷したためインクの乾きが遅い。そのため、印刷後は十分シートを乾燥することが望ましい。
B 感光基盤への焼き付け
この作業は、暗室などのやや薄暗い部屋で作業する。
感光用基盤に先ほどのOHPシートを、印刷面を感光基盤に密着するように重ねる。次にライトボックス(BOX-W10)には位置し、感光基盤とOHPシートがより密着するように真空パック状にし、約3分感光させる。
C 現像
現像用の容器に、専用現像剤(DP-10)を200ccのぬるま湯(35度~40度)に溶かす。感光基盤のパターンを上にして基板を沈める。現像が終わるまで、容器ごと液を動かし続ける。パターンがクッキリ現われ、介色以外の感光剤が完全に溶けたら、引き上げて水洗いする。水洗いしたらパターンをきずつけないように水分をふき取る。水洗いした後は光にあててもよい。
D エッチング
エッチング用の容器に、エッチング液を注ぎ、20度~45度に加熱する。液温をそのままにして、基板のパターンを上にして沈める。エッチングが終わるまで容器ごと液を動かし続ける。回路以外の銅が完全に溶けたら、引き上げ水洗いする。最後のアルコールまたはシンナーで回路の感光剤の膜をふき取る。
この全工程で、約40分~1時間程かかった。作業終了後は、適切に溶液を処理し終了した。