測定準備

サンプルとホール素子の配置

サンプルの超伝導体は、観測点にホール素子がのるようにエタノールで薄めたワニスで直接ホール素子上に固定し一昼夜乾かす。サンプルとホール素子の間隔はできるだけ小さくなるように、ワニスを必要最小量塗ってサンプルを固定する。サンプル、ホール素子は非常にもろく壊れやすいので十分注意して作業を進める。サンプルとホール素子の位置関係を図〜に示す。

 サンプルを固定したホール素子は、サンプルホルダーに両面テープを用いて固定する。ホール素子には、垂直に磁場をかける必要があるのであらかじめ方向を決め常に同じ方向に磁場がかかるようにする。

 ホール素子を冷却器のサンプルホルダーに固定したら、サンプルホルダーをくるむようにアルミラーを巻く。アルミラーは、この外側のシールドに接触しないようにある程度タイトに巻く。これを巻きつけることにより、熱輻射の影響を妨げることができる。このアルミラーを巻いたサンプルホルダーにシールド、外筒の順に取り付ける。外筒を取り付ける際、接合部のOリングに真空用グリースを適当に塗る。

 冷却器を鉄心電磁石にセットし、ホール素子が電磁石からの外部磁場と垂直になるように調節する。この調節は、あらかじめ何度か測定を行い最も感度のいい位置を記録したものである。

 冷却器と真空ポンプをつなぎ、測定機器からの配線し測定前の準備を終わる。