測定の手順
各測定機器、直流電流源、直流電圧源、ヒーターの主電源を入れ、測定用のパソコンの測定プログラム(LabVIEW)を立ち上げ、温度測定用ファイル(時間−温度.vi)を開く。
最初に真空ポンプを用いて冷却器内の空気を抜く。約20分程するとポンプの回転数が安定する。ポンプの回転数が安定したなら、コンプレッサーに冷却用の水を送り、冷却器の電源を入れ冷却を開始する。今回使用したポンプは、ターボ分子ポンプ(Ulvac製)であるので冷却器内を真空に引きながら冷却する事ができた。ここで、温度測定プログラム(時間−温度.vi)を実行する。これにより、サンプル付近の温度と時間のチャートをリアルタイムでみる。コンプレッサーに送った水の温度が上がり過ぎないように注意し、約2時間程温度が下がるのを待つ。
温度が順調に、~Kまで下がり安定した温度状態になったら、ヒーターを用いて目標測定温度にセットする。サンプル付近の温度が目標測定温度の±0.01K程で安定したなら、温度測定プログラム(時間−温度.vi)を停止させる。ここで、ホール素子に0.10mAの電流を流す。鉄心電磁石に冷却用の水を送り、磁場ゼロの状態でメインの測定用プログラムを実行する。メインの測定プログラムは、2つあり1つは、サンプルのヒステリシス曲線の測定用、もう1つは、磁気緩和の時間特性の測定用である。これにより、目標測定温度で、目的の測定が容易にできる。前者で約20時間、後者で~時間の測定時間がかかる。その間、コンプレッサーの冷却用水の温度、鉄心電磁石の冷却用水、測定用機器の不具合などに注意を払う必要がある。